Windowsメールのデータが消えてしまった!?
今回のトラブルの内容は・・・
リピートのお客様からのご依頼で今回は、「メールのデータが突然消えてしまい送受信もできない状態」という相談でした。
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お客様が希望されること・・・
依頼内容は、まず「早急に来てメールデータを復元してほしい。」特に送信データを最優先で復元してほしい。そして、同じことにならないように「今回の原因を知りたい」とのこと。
事前の準備
OSはWindows vistaなのでメーラーは、Windowsメールです。
訪問日は入電があった翌日になったのあるが、自分はWindowsメールを使っていないので(愛機は、WindowsXPのため)ちょっと困ったが、訪問前にWindowsメールのデータバックアップとデータの復元方法だけは情報収集して資料をプリントしておいた。
それと約1時間Windowsメールでデータが消えた場合の対処方法があるかと思い、これもインターネットで検索はしたものの、ほしい情報はこれといってなかったので、あとは訪問してから調べようと思った。
この商売を始めた頃は、事前にトラブル案件のケースを何時間も調べて訪問をしていたが全く同じケースは、ありそうで無い。
その為、最近では最低限の情報収集はするが、あまり深く考え準備をしても現場では使える情報があまり無い事と情報収集をしすぎると逆に先入観のせいで時間ばかり浪費してしまい本来の目的を見失ってしまうことになり兼ねないので気をつけるようにしている。
訪問日当日
約半年ぶりの訪問であり、前回はウィンドウズ ビスタの仕様についてのトラブルだった。
前日に一応、前回訪問の履歴もプリントして持っていったが、今回は前回の延長ではないのであまり気にすることではなかった。
ヒアリングしてわかったこと
まずは簡単に挨拶をして、ヒアリングをすること約5分。
この時点でわかったことを整理した。
- トラブルは2日前に発生した。
- windowsメールを立ち上げると送受信データや作成したメールフォルダなどの環境が、デフォルト状態(使う前)に戻ってしまっていた。おのずと、メールのデータも無くなっていてアカウント設定も見当たらず送受信もできない状態であった。
- インターネットの接続は、できていた。
- パソコンのバックアップ運用は、Cドライブでパソコンを動かしDドライブはバックアップ用にデータを保存されている。更に外付けHDDを1台用意して、定期的にCドライブのデータを外付けHDDにバックアップされている。
- ご本人が外付けHDDに手作業で、データをバックアップした。その他に市販のバックアップソフトを使用して、途中までやったものの操作が難しくて断念。
- 以前ウィルスに感染したことがある。
- セキュリティソフトは、ソースネクスト社のウィルスセキュリティZEROを使用している。
と、まぁこんな感じ。
作業を開始!!
パソコンを起動して、原因を追究するための作業を開始した。
1.「システム復元ポイント」の作成を作業開始する前に作っておく。
いつもそうであるが、作業前は万が一のためにシステム状態を戻せるように復元ポイントを作成しておくのであります。(ポイントを作成できるOSに限りますが・・・)
2.復元できそうなポイントがないかを確認。
結果:復元できそうなポイントはなかった。もっとも復元ポイントを戻したとしても、本件のトラブルが解決する可能性は低いのであるが・・・
3.メールデータの格納先を確認する。
確認方法はwindowsメールを起動して[ツール]-[オプション]-[詳細設定]タブ-[メンテナンス]-[保存フォルダ]で確認できる。
このパソコンではD:\[任意フォルダ名]に格納されていた。
実はこれが今回のトラブルを引き起こした原因のひとつであった。
- このパソコンは、ドライブをCとDの2つにパーティションを分割されている。(量販店で購入すると、ほとんどがこうなっています。)
4.windowsメールのデフォルト値でのメールデータ格納先を確認する。
メールデータの格納先が、D:\[任意フォルダ名]と判明したのであるが、トラブル前のデフォルトの格納先を持参した資料をもとに確認した。
通常[保存場所]ダイアログボックスに表示されているものは、
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Microsoft\windowsMail
といったようにCドライブの階層にwindowsメールソフトが初期に保存場所を設定している。
5.作業用に一時保存先フォルダをディスクトップ上に作成。
あくまで訪問時には「作業用フォルダ」を一つ作り、そこに全ての作業情報を入れるようにしている。
6.必要なデータを作業用フォルダにバックアップする。
デフォルトのメールデータ
(C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Microsoft\windowsMail)
とDドライブに格納されていたメールデータをバックアップした。
格納先がDドライブに変更される前までは、パソコンを購入されてから数ヶ月の間、Cドライブのデフォルト値にメールデータがあったので、そのデータと現時点でのDドライブのメールデータをバックアップした。
7.削除されたメールデータが残っているか、検索をかけてみた。
結果:該当なし。
メールデータの種類「Windows メール 電子メール メッセージ」というキーワードでCドライブとDドライブ双方に検索をかけたが検索にひっかからなかった。
作業開始から60分経過
8.原因追求とメールデータ探索から60分経過したので、ご本人に声をかける。
この時点でメールデータが見つからないことを伝えることにした。
9.バックアップしたCドライブのデフォルトメールデータを現在の保存先(D:\[任意フォルダ名])へ上書きする。
2回目のヒアリングをしながら削除ファイルの探索をするが、このままだと送受信もできないためデフォルト格納先のデータをD:\[任意フォルダ名]に上書して送受信だけでもできるようした。
これで保存先変更前の状態に戻ったことになる。
ちなみにアカウント設定だけなら最初から手作業でひとつひとつアカウント情報を入力して設定をすればいいのであるが、時間短縮のためにデータを上書きしたのである。
10.windowsメールを起動して、メールの受信を確認。
現時点での受信メールの取得ができた。
Dドライブにメールデータの保存先を変更する前は、アカウント設定もされていたので、送受信はできるはずだったので、あたりまえといえばそれまで。
しかし、メールサーバの設定が受信サーバにメールデータを残さないとなっていた為にトラブル発生前までに受信したデータは、取得ができなかった。
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原因がわかった!!
11.違うキーワードで再度検索をかける。
ご本人に任意で作成した送信フォルダの名称を念のために聞いたら、おぼろげであるが、その名称がわかったのでダメもとで、そのフォルダ名で検索をかけた。
結果:ゴミ箱に該当データを発見。
そのデータを元にもう少しメールデータの探索を続けたら、なんとゴミ箱にD:\[任意フォルダ名]があったのだ。これが、トラブル発生前までにWindowsメールが保存場所にしていたフォルダであります。
つまり、メールデータ一式がゴミ箱に捨てられてしまったのである。今回のWindowsメールのデータが消えた原因は、これであった。
メールデータをトラブル前の状態に復元する
12.先ほど受信したメールデータを手作業でバックアップする。
メールデータのバックアップ方法を持参した資料を見ながらテキストファイルにバックアップした。
エクスポート機能ではなく、バックアップしたいメールデータを個別に選んでバックアップ。
というのも、ここで受信したメールデータを保存しておかないと、メールサーバに受信データがもう残っていないので、ゴミ箱にあるDドライブのメールデータをゴミ箱から元に戻すと、データが上書きされてしまい、なくなってしまうからである。
13.ごみ箱に捨ててあったDドライブのメールデータを「元に戻す」
- [ゴミ箱]をクリック。
- 元に戻すデータを選択して、右クリック。
- [元に戻す]をクリック。
これで、トラブルが発生する前の状態に戻ったわけだ!!
ただし、まだ新しい受信メールデータと古い受信メールデータの継ぎ接ぎ作業が残っているので、終了ではないのである。
14.ご本人に確認。
トラブルが起こる前のwindowsメールの状態かを確認して戴き承認をもらう。
ご自分で設定したフォルダや本件の重要な部分の「送信メール」が復元されていたかを見てもらいました。
この段階で今回のご依頼は80%クリアしたのを確信して、ホッとしたのであります。
過去と現在までのメールデータを一致させ本件終了
15.デフォルト状態で受信したメールを追加する。
トラブル前の状態のwindowsメール受信ボックスに「デフォルト状態で受信したメール」をドラッグ&ドロップして追加し、過去分と現在の受信メールが一致した。
16.メールデータ保存先をDドライブからCドライブに変更する。
また、同じようなことが起きると困るということで、メールデータの保存先をデフォルトの場所→「C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Microsoft\windowsMail」に設定変更する。
これで完全にパソコンを購入して、windowsメールを使い始めた頃の環境に戻ったのであります。
17.最後に送受信のテストをして本件終了。
ご本人に送受信のテストをしていただき、正常に送受信ができたことを確認して本件は無事解決となりました。 作業開始から3時間を要したが無事解決してお客様と二人でホッとした瞬間である。
開始から60分までは絶望的であったのであるが、2回目のヒアリングでの送信フォルダ名の検索がヒットしたお陰で見つかる可能性増え、尚且つゴミ箱にデータがあったことが幸いしたのです。
もしご本人が、ごみ箱を整理していたら短時間での復元は不可能だったのでラッキーでした。現場では神が降りてくる瞬間があるんですねぇ~。
本件を振り返る
トラブルの原因
windowsメールのデータが格納してあるフォルダを誤って「ゴミ箱」に捨ててしまったことである。
そして、windowsメールの設定画面が、アカウント情報を入力する前に自動的にフォルダを作り、出荷時の状態に戻っていた為、windowsメールを起動しても今までのメールデータやアカウント設定データなどが全て消えてしまったのである。
なぜメールデータをゴミ箱に捨ててしまったか?
データを整理している時にDドライブに今回のメールデータが格納されているフォルダを見つけて、同じような名前のフォルダがあったので、このフォルダは必要ないかと判断されてゴミ箱に捨ててしまったそうである。
メールデータの保存先をDドライブに変更した時の経緯は、おそらくDドライブから外付けHDDにバックアップしやすいように(フォルダを見つけやすくするため)変更したと思うが、今回はこれが逆に裏目に出てしまったようだ。
なぜメールデータの保存先が、Dドライブになっていたか?
ご本人が設定したのか?私が以前、訪問した時に現場で頼まれて作成したか?のどちらかなのであるが、結局は迷宮入り。
なんだか全体的に堅苦しい文章になってしまった。
参考サイト
「富 士 通 AzbyClub サポート」のページに図解入りでわかりやすく記載されています。本件でのメールデータ復元もこのサイトを参考にさせていただきました。
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