「書く!」ということについて


アナログ書きとデジタル書きという副題にしてもよいのであるが、どっぷりデジタルにハマッていた自分としては、最近アナログの大切さを感じています。

デジタル書き(ワープロ)に世の中が少しずつ変化してきたのは、20代前半の頃。年代でいうと1990年の始めだったと思う。

ライターなどの職業であれば、もうワープロやパソコンを使っていたと思うが、その時はまだ社会人になって2~3年の頃だったので、やっとワードプロセッサ(ワープロ専用機)というものに触れ始めた頃だった。


それまでの手書き文章からワープロを使って綺麗なカッコいい文書を作成するのが、流行っていたと思う。また、センスのあるレイアウトで完成させると「できる!やつ」と思われていた時代である。(だったと思うのであるが・・・)

そのうちマイクロソフトがwindows3.1を販売したあたりから少しづつ、ワードプロセッサからパソコンのワープロソフトが世の中に出始めてwindows95そしてwindows98あたりになる頃には、ワードプロセッサからパソコンに変化していたと記憶している。

それに伴いワープロソフトもジャストシステムの一太郎が当初、主流だったのに対してマイクロソフトのWord(当時少し使いづらかったが)が主流になってきた。


これは日本人の特性である「みんながそうしているなら自分も・・・」という遺伝子がそうさせているのであろうか?

そんな時代の流れもあってか、デジタル文書にどっぷりハマッていったのでした。


最初のうちは、下書きをして、それをワープロで清書する。というのが一般的な工程であったのですが、そのうち自分自身のタイピングにイライラして「ブラインドタッチをマスターするぞ!」となっていった。 

又、そのほうが下書きもせずに直接文書を作成できるし、
一石二鳥なので、このほうが「よいこと」と錯覚していたのです。しかし、よ~く文章をチェックしてみると

決して紙とペンで考えた文書とキーボードでタイプして作成した文書とでは、必ずしも内容や表現が一致しないことに気が付いたのでした。また、双方では「考えるという行為」にも差があったのです。


どういうことかと言うと当たり前ですが、書くという行動は、手でペンを動かして紙に表現します。これに対してパソコンでは、両手の指先でキーボードにタイプしていきます。

ブラインドタッチができれば、表現も紙とペンに書くのと同じだと錯覚していましたので(その為にブラインドタッチもマスターしたのですが)どうやら最近、「何か違う」と感じていました。


Blogが流行(ハヤ)り出したこともあり、Blogでは直接文章をBlogサイトにアップロードします。その際、Blogとは、いわゆる日記形式なので下書きはあまりしない。

文章校正などのチェックも簡単に読み直してアップしてしまいます。(みなさんどうでしょう?)しかし、最近同じ題目で紙とペンで下書きをしてみたところ、微妙に表現されている内容が違うことに気が付きました。

それと、紙とペンの方がパソコンで書くよりも頭で考えたことを表現する伝達スピードが速いのです。ほんとうに今更なことで当たり前な常識なのですが・・・・・・・。


なぜか?

それは、パソコンで書くと色々気が散る要素があったからでした。


  • タイプミスした。
  • 変換が自分の思ったものと違った。
  • 改行や文字装飾などのレイアウトにこだわってしまう。
  • 操作ミスでパソコンが突然エラーメッセージが出た。


などなど。


このように邪魔が入るので、本来考えていたこと表現したかった文章が、一瞬にして消滅してしまうのです。そして、思い出せればいいが、もう何を書きたかったか、出てこない場合もある。

人間が紙とペンを使って書くというアナログな行為は、どんなにデジタル化が進んでも、まだまだ紙とペンには勝てないと思うし、逆に紙とペンより勝るツールを発明したら、ノーベル賞を取れるのではないでしょうか?(億万長者になれるかも!?)

*近いツールはもちろんありますが、紙とペンに比べたら、まだまだと思います。


それと、もうひとつ衰えたことが、漢字を読むことはできても書けなくなってきたことです。

わからない漢字は、変換キーを押せば調べなくても変換してくれますし、不明な言葉もインターネットの辞典サイトを見ればほとんど解決してしまいます。(または携帯電話の変換機能)

その調べた語句もコピー&ペーストでワープロソフトに挿入してしまえば、ほとんど漢字を意識しなくてただの文字の塊という意識で文章ができてしまいます。

辞書を引くという行動もめっきり減った今日この頃でした。


少し話を脱線しますが・・・

僕は、車のナビゲーションでこれに近い体験をしています。ナビゲーションを購入(もう10年以上前ですが)してから、そのナビゲーションが壊れた時に「うわ!道がわからない」と思いました。

ナビに慣れてしまっていたので、ナビがないと急に不安になりました。先ほどの漢字辞書がこの場合「地図」になるわけです。要するに考えなくてもよい環境になってしまっていたのです。

タバコなら吸いすぎると肺気腫になる恐れがありますと箱に書かれていますが、パソコンやナビを購入した時使いすぎると考えることをしなくなりますとは書いてませんから・・・・・。


話が逸(そ)れましたが、この「考える=書く」ということは似ていると思います。デジタルに慣れてしまうとアナログのなにか大切なものを使わなくなってきていたのです。

実はこの文章は、そんなこともあって紙とボールペンでなぐり書きで下書きをしてテキストエディタで清書したのですが、不明の漢字はあえて昔使っていた手のひらサイズの辞書を引いて調べてみました。(もう、何年も辞書など引いたことなかったです)


感じたことは・・・

手間はかかるのであるが、とても新鮮でした。


今回の手で書く!というテーマの結論は

  • 昔ながらの手法は、いいものがある
  • 手を動かしながら五感を使って考えるのは、紙とペンのほうがパソコンよりも適している。
  • デジタルに使われるのではなく。デジタルを上手に使わないと考えなくなる


元来デジタル商品が好きなので、パソコンは勿論のこと。手帳もPDAに凝って2台買ってみたり、ノートのかわりになるかな?ってハンドヘルドPCを使ってみたりしていました。

どうしても高いお金で買った商品は、機能をフル活用したくなります・・・それで何時間も費やして使ってみるのですが、なんかしっくりこない・・・なんてありませんか?

本来の目的ではなく機械を使うことで精一杯になってしまうのです。でも、デジタル商品にはアナログでは、できない機能があり、また逆もあります。

この二つを自分なりの使い方でうまく融合することを現在、色々試しています。まだあはっ!とは、していないのですが、ちょっと楽しみです。


後記

アナログな方法が注目されている!?

久しぶりに文房具店に足を運んだ時のこと、ボールペンコーナーにZEBRA(ゼブラ)の小冊子が置いてあったので、何気なく持ち帰ってきた。その小冊子にタイトルは「多機能ペン活用術 -虎の巻-

ZEBRA(ゼブラ)の多機能ペン(4色ボールペン+シャ-プペン)を売る為のベネフィットであるが、小冊子の表紙に、こう書いてあったので、思わず取ってしまったのだ。

「今、手書きによるメモ術や手帳術など書くことによる、ビジネスや学習への効果が注目を集めています。」
-ゼブラの小冊子から抜粋-


おー (^.^) そして、1枚目にはさらに

「パソコンや携帯電話など便利なデジタルツールが一般化する一方で、ペンでの手書きというアナログな方法に人気が集まっています。」
-ゼブラの小冊子から抜粋-

おー おー 「そうでしょ! やっぱりそうなんだよ~」\(~o~)/ と心の中で叫んでしまいました。(単純な性格なんです~)


ワープロやパソコンが、こんなにも普及していない時にも同じようなことは、言えたと思うのだけれど、特にこれからもっと「手書き」をしなくなるのではないか・・・と。

意識して書くことをしないと、書く必要がなくなるので変な時代である。


参考文書 -ゼブラの小冊子から抜粋-

  • 「手書き」だから出来ること。
    手で書くことのメリットは、紙とペンさえあればどこにいてもすぐに記すことができ、携帯性に優れていること。しかし、それだけではありません。手で書いた文字には温かさがあり、コミュニケーションを円滑にする力があります。また手を動かすことで、「考え」と「身体感覚」が連動しアイディアが出やすくなる、はっきりとした記憶に残る効果もあるといわれています。携帯電話やパソコンも、もちろん便利ですが、手書きだからこそ出来ることがあり、またその多くが仕事や学習の場で効果を発揮するものと期待されているのです。
  • 「色分け」メモで、脳にインデックスを作る。
    手で書く場合、およそ95%の人はモノトーン(黒など)で書いているといいますが、モノトーンの語源は「単調」。単調なメモは記憶に残りにくく、見直したときに思考の整理がしにくいものです。そこで取り入れたいのが、赤、青、緑などで色分けしてメモを取る方法。人は色に対して具体的なイメージ(赤=重要、緑=安らぎ、など)を持ちます。文字情報にビビッドなイメージを付加することによって、散在したメモを瞬間的にさまざまな階層に分類することができます。いわば、色分けは、脳のインデックス。色分けメモを活用すれば、さまざまな能力を高めることができるでしょう。

[check] 色の視覚効果
見ただけで温かく感じるなど、心理に訴えかける力がある「色」。逆に、役割を与えて、情報整理に利用することもできます。

  • 色別・視覚効果
      • 重要
      • 注意喚起
      • 興奮
      • 補足
      • 創造
      • 落ち着き
      • 冷静
      • 調和
      • 決断力
      • 安らぎ
      • 基本
      • 保護
      • 権威

色分け」もこういう効果を知っていれば、楽しく活用できますね!非常に面白い情報だったので、載せてしまいました。(^.^)


デジタルの世界にどっぷりハマってしまったので、この小冊子の内容に共感したのかもしれませんが、何事もバランスが大切ですよね。

もうしばらく僕の中で「書く」というマイブームは続きそうです。